まず知っておきたいこと:保険は「かかった費用の一部」を払うもの
ペット保険の多くは、動物病院でかかった費用のうち、決まった割合(70%、50% など)を、上限の範囲で払う仕組みです。
「70%プラン」でも、上限を超えた分や、補償の対象外の費用は、自己負担になります。
ここからは、獣医師として、加入前に見てほしいポイントを7つにまとめます。
加入前に見てほしい7つのポイント
- 補償割合
- 上限のかかり方(1日ごとか、年間の合計か)
- 自己負担(免責金額)
- 新しく入れる年齢
- 待機期間(補償が始まるまでの期間)
- 加入前の病気と、加入できない病気
- 続けるときの条件と、窓口精算
ここからは、次のことを書いています。
- 7つのポイントそれぞれの、見るところと注意点
- シニア猫・腎臓病が気になる飼い主さんが確認しておきたいこと
- 4社の補償内容(70%プラン・猫。2026年10月26日に公式サイトで確認した数字)
- 申し込む前にやっておきたいこと
7つのポイントの見るところ
1. 補償割合
- 70%、50% などの割合です。高いほど、毎月の保険料も高くなるのが一般的です
- 会社によっては、途中で割合を変えられるのは更新のときだけ、という決まりがあります
2. 上限のかかり方(1日ごとか、年間の合計か)
- 「通院は1日○円まで、年○日まで」のように、1日ごとと回数に上限がある型
- 「1日の上限はなく、年間の合計○万円まで」という型
- 通院が多い子と、手術が心配な子とでは、合う型がちがいます
3. 自己負担(免責金額)
- 「1日あたり○円は自己負担」という決まりがある保険もあります
- 少額の通院が多い子では、ここで差が出やすいです
4. 新しく入れる年齢
- 多くの保険で、新規加入できる年齢に上限があります
- いったん入れば続けられる保険でも、「新しく入る」のは若いうちしかできない、ということがあります
5. 待機期間(補償が始まるまでの期間)
- 加入してすぐの一定期間に始まった病気は、補償されない保険があります
- 病気は30日、がんは90日など、病気の種類で分かれていることもあります
6. 加入前の病気と、加入できない病気
- 加入前からかかっている病気は、補償の対象外になるのが一般的です
- 会社によっては、慢性腎不全・糖尿病・悪性腫瘍など、決められた病気にかかったことがあると、加入そのものができません
- 治療中・経過観察中の病気があると、「その病気だけ補償しない」という条件がつくこともあります
7. 続けるときの条件と、窓口精算
- 1年ごとの更新で、ずっと続けられるか。更新のときに、新しい条件がつくことがあるか
- 年齢が上がると保険料がどう変わるか
- 病院の窓口で、自己負担分だけを払えばよい「窓口精算」に対応しているか。対応していない保険では、いったん全額を払ってから請求します。窓口精算は、対応している病院でしか使えません
シニア猫・腎臓病が気になる飼い主さんへ
シニア猫の相談でよく出てくる腎臓病は、長く通院が続くことが多い病気です。
保険を考えるときは、次の点を確認しておくと安心です。
- すでに腎臓病と言われている子は、加入できない保険がある(今回見た中にも、慢性腎不全にかかっている・疑いがある場合は申込みできない、と書いている会社がありました)
- 加入した後にかかった病気が、更新のときに補償の対象外にならないか(更新の条件)
- 通院が続く病気では、「1日あたりの上限×年間の日数」で足りるか
「もう7歳を過ぎたから、どこにも入れない」とは限りません。新規加入の年齢の上限は、会社やプランによってちがいます。
ただ、元気なうちのほうが、選べる保険は多くなります。
なお、保険に入っていてもいなくても、具合が悪いときに受診を迷う理由にはしないでください。
4社の補償内容(70%プラン・猫で新規加入の場合)
公式サイトで内容を確認できた4社を、五十音順に並べました。順番に意味はありません。
比べやすいように、4社とも70%のプランで並べています。
2026年10月26日に各社の公式サイトで確認した内容です。 保険の内容は改定されることがあるので、申し込む前に、最新の内容を公式サイトで確かめてください。
保険料は、年齢・プラン・支払い方法で変わるため、ここでは載せていません。
第一アイペット損害保険「うちの子」70%プラン
- 通院:1日12,000円まで(年22日まで)
- 入院:1日30,000円まで(年22日まで)
- 手術:1回150,000円まで(年2回まで)
- 年間の上限:最大122.4万円
- 新規加入:7歳11か月まで
- 継続:1年ごとの自動継続。保険金を使ったことを理由に継続を断らない、継続時に新しい条件を追加しない、と案内されています
- 窓口精算:対応病院で可
- 保険料は年齢が上がると毎年変わり、猫は9歳から定額、と案内されています
アニコム損害保険「どうぶつ健保ふぁみりぃ」70%プラン
- 通院:1日14,000円まで(年20日まで)
- 手術:1回140,000円まで(年2回まで)
- 新規加入:7歳11か月まで
- 継続:加入時の条件のまま、終身で継続できると案内されています
- 待機期間:契約の始期日から30日間
- 加入できない病気:悪性腫瘍、慢性腎不全、糖尿病など14の病気(かかっている・疑いがある場合)
- 窓口精算:対応病院で可(全国約7,000病院、2026年5月末現在と記載)
PS保険(ペットメディカルサポート株式会社)70%プラン
- 通院:1日1万円まで(20日まで)
- 入院:1日2万円まで(30日まで)
- 手術:1回10万円まで(2回まで)
- 年間の上限:110万円
- 新規加入:生後30日以上、8歳11か月まで
- 継続:1年ごとの自動更新。ケガや病気を理由に更新を断ることはない、と案内されています
- 待機期間:なし(保険の始期日から補償。始期日より前に始まった病気・ケガは対象外)
- 窓口精算:なし(後日の請求のみ)
- 少額短期保険の会社です
ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム」プラン70
- 1日あたりの上限・日数・回数:なし(年間の上限の範囲内)
- 年間の上限:70万円
- 自己負担:1日5,000円(継続時に8歳以上なら10,000円も選べる)
- 新規加入:原則として健康な生後45日〜満7歳
- 待機期間(1年目のみ):病気30日、がん90日
- 加入できない場合:決められた病気にかかったことがある場合
- 継続:1年ごとの自動継続で、原則終身。10歳以上の保険料は一律
- 窓口精算:提携病院で可(契約によって対象外のこともある)
同じ「70%」でも、上限のかかり方、自己負担、窓口精算の有無などが、会社によってちがうのが分かると思います。
どれがよい・悪いではなく、「うちの子の場合、どこが大事か」で見てください。
申し込む前にやっておきたいこと
- 同じ子の条件(年齢・プラン)で、気になる保険の見積もりをとる
- 重要事項説明書を読み、「補償されない場合」「加入できない病気」「更新の条件」を確認する
- いまの健康状態は、正しく申告する(申告と違うと、保険金が払われないことがあります)
- 保険に入らず、医療費用の貯金をする、という選び方もあります。どちらが合うかは、ご家庭の考え方しだいです
保険のことで分からない点は、各保険会社の窓口に問い合わせるのが確実です。
「いまの体の状態で、気をつけておくことはあるか」は、かかりつけの先生に相談してみてください。
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例:「シニアになって、病院に行く回数が増えてきた。家で様子を見てよい範囲を知りたい」
※この記事は一般的な情報で、特定の保険への加入をすすめるものではありません。保険の内容は各社の公式サイトと重要事項説明書で確認してください。症状がある場合は動物病院を受診してください。
参考にした資料(2026年10月26日確認)